吹奏楽コンクール課題曲 打楽器ワンポイントレッスン
マーチ「ブルー・スプリング」
※本文中【 】内の記号は楽譜の練習番号、[ ]内の数字は小節番号 を示しています。
使用打楽器リスト | ||
楽器名 | 執筆者のアドバイス | 推奨品 |
ティンパニ |
マジェスティック/プロフォニック・シリーズ |
|
スネアドラム |
明るいサウンドのもの(5インチ程度)アルミニウムやブラス・シェルなども効果的です。響き線の調整、緩すぎないように。 |
マジェスティック/ ソナー/SQ-1405SD-MHI |
クラッシュ・シンバル |
18インチ/ミディアム~ミディアムライト明るい音色のもの。 |
小出シンバル/11S-in18CCM |
バスドラム |
小さめ(32インチ)の楽器でも可能です。アタックがクリアに聞こえるように。ミュートのしすぎには注意しましょう。 |
レフィーマ/LF-BD132S |
グロッケンシュピール |
グロッケンらしい華やかな表現が求められます。楽器の状態をよく確認しましょう。 |
マジェスティック/MJ-B3125S |
品番に*印のついた商品は、これから発売予定の新製品です。
使用マレットリスト | ||
楽器名 |
執筆者のアドバイス |
推奨品 |
ティンパニ |
発音がクリアなもの。マレット自体の重さが軽めのミディアム・ハード。 |
K.M.K/KK-TMK03, 13, 23 |
スネアドラム |
明るい音色や軽快な表現のために、スティック自体の重さが重すぎない方が良いと思います。楽器との相性や使いやすさを一番に考えましょう。 |
K.M.K/KK-CSJ2 |
バスドラム |
発音がクリアなものを使いましょう。ミディアム・ハードで、軽め。 |
K.M.K/KK-BMDY02, KK-BMDY03 |
グロッケンシュピール |
ブラスやアルミなど金属系のもの、あるいはメタル・コアタイプなど華やかでキラキラした音色表現できるもの。 |
バルター・マレット/BM-BGP2, BM-BG5, BM-BG6 |
品番に*印のついた商品は、これから発売予定の新製品です。
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Timpani
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Percussion 1
スネアドラムのロール奏法について、「入り方」(=アクセントの有無)と「終わり方」(最後の音をはっきり突くか突かないか)を意識しましょう。
[2]、[108]、[110]に出てくる付点四分音符。音の長さと切り方のニュアンスを管楽器と揃えましょう。
[19]の3、4拍目は四分音符(ロール)の長さを意識して。少し短く切るイメージで演奏しましょう。
【D】、【I】はホルンのリズムフレーズとニュアンスを揃えましょう。
[31]のショートロールは、「5ストローク・ロール」をきっちり決めて。
[58]のロールクレッシェンドは、音量を強くする感覚よりもサウンドの広がりを感じながら演奏しましょう。例えばストロークのスピードコントロールによる表現も試してみてください。(例えば、3連符→3連符→4連符のようなイメージ。)
[104]は四分音符の長さを感じながら。音のつながりは低音楽器と同じように。
[105]、[106]の装飾音符は、主音をしっかり狙って演奏しましょう。主音に向かうスピード感が大切です。
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Percussion 2
明るい音色で演奏しましょう。全体に言えることですが、「音の切り方」について、「音の芯」を捉えてから、または鳴らし切ってから音を止めることを心がけましょう。
[13]、[25]、[29]、[30]、[59]、[79]、[83]、[84]ではすべて1拍目に演奏しますが、「タイミング」を狙うのではなく「音楽の流れ」をしっかり感じながら演奏しましょう。和音の一部として表現すると発音のタイミングやスピードが揃うと思います。mpやmfの音色では温かみのある柔らかさをイメージしてみてください。響きを残す指示があるので、音の切り方には十分注意しましょう。
【C】はアクセントのある3拍目の音をしっかり狙って演奏しましょう。2拍目を打ち終えたときの反応(動作)が、3拍目の「予備動作」につながっていることがポイントになります。
【J】は、「四分音符の長さ」を意識して。
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Percussion 3
バスドラムマーチでは大太鼓が音楽の流れを作る指揮者の役割を持ちます。ですが、パート譜だけを見ていると音楽の流れを掴むことができません。メロディーラインを歌ったり(鍵盤楽器で弾いてみたり)低音セクションの音の変化を共有することが大切です。楽器のチューニングも演奏上とても大切ですね。楽器によって調整のポイントが変わって来るので、裏ヘッドと打面のバランスを色々と試してみましょう。ビーターはアタックが少しはっきり伝わるものが良いと思います。低音セクションは八分音符で刻んでいるので左手(指)を楽器のリム付近に添えた状態で上手に使って余韻をコントロールしましょう。
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Percussion 4
フレーズ終わりにトリルがとても多く出てきます。そのため最初の段階で手順をしっかりと考えておくことが大切です。トリルがついている音は左手から演奏できると自然な動きになるかもしれません。アーティキュレーションが楽譜には書かれていないので、高音木管パートに書かれているものを参考にニュアンスを揃えてみましょう。臨時記号にも注意が必要ですね。明るく軽快なサウンドなので金属も含めてキラキラした音色表現できるマレットを選んでみてください。
[2]、[88]、[108]の装飾音符は、高音木管の7連符を意識してください。
[29]-[30]、[83]-[86]、[109]の3拍目裏、左手からの順手(LRLRLR...)で試してみてください。
レッスン執筆

小川裕雅(おがわひろのり)
打楽器奏者。東京藝術大学卒業。
エリザベト音楽大学准教授。様々なジャンルでの演奏活動に加え、講習会講師・コンクール審査員なども務める。04年3月にソロパーカッションアルバム「Generous Tone」を発表し、好評を博している。ソナー・SQ2クラシカル・アーティスト