
日々の練習に少しの視点を加えるだけで、音楽の表現は大きく変わります。
このコーナーでは、スコアの読み方やアンサンブルの捉え方、音色づくりのヒントなど、
演奏の質を一段引き上げるためのポイントを分かりやすく紹介します。


執筆:小川裕雅
POINT01
拍子の違いについて「拍子」は音楽の流れや表現の土台となる大切な要素です。一般的に「強拍」と「弱拍」という言葉で説明されますが、
・強拍が周期的に表れること
・強拍に向かう弱拍が持つエネルギー(=アウフタクト)
に注目してみましょう。
その場で軽くジャンプしてみると体感できると思いますが、ジャンプ=「弱拍」、着地=「強拍」という関連があります。
弱拍と強拍の関連が分かったところで、 4/4拍子(1小節に四分音符が4つ入る4拍子)と2/2拍子(1小節に2分音符が2つ入る2拍子)を比べてみましょう。
どちらも1小節に含まれる音符の長さ(数)は同じですが、4/4拍子は1拍目と3拍目を強拍【※注】、2拍目と4拍目を弱拍として1小節を細かく4カウントで数えます。細かく数えることで緻密で安定した刻みを感じることができます。一方、 2/2拍子は1拍目が強拍、2拍目を弱拍として1小節を2カウントで数えます。1拍の音価(音の長さ)が長くなることで、スケールの大きい流れや伸びやかな揺らぎを感じることができます。
※注 4拍子の3拍目は一般的に「中強拍」とされます。
POINT02
リズムフレーズと音楽の流れ拍子の違いは、リズムのグルーピングやフレーズの捉え方に大きく関わります。
例えば、八分音符のリズムが連続する場合。 4/4拍子では「リズムを均等に刻む意識」が強くなり、拍ごとの区切りを明確に表現することで細やかな安定した表現が可能となります。(※譜例)
一方、2/2拍子ではより大きな単位で「リズムをまとめて表現する」ことで、フレーズ全体の流れに自然な推進力を感じることができます。
POINT03
体験してみようこの違いは、実際に身体を使って体感することでより明確になります。
♩= 120のテンポでメトロノームを鳴らし、①「四分音符単位=4拍子」と②「二分音符単位=2拍子」で2小節ずつ交互に指揮や歩行をしてみてください。1小節の時間的な長さ(1拍目から次の小節の1拍目までの時間=「周期」を感じることが大切!)は同じでも①は細かく刻む感覚、②は大きな流れを感覚として捉えることができると思います。
さらに、テンポを変化させてみましょう。テンポを速くしていくと①は動作が忙しくなってきますが、②のほうは流れを保ったまま自然にテンポを上げることができると思います。では遅くするとどうでしょうか。①は 正確に刻み続けることができる反面、②は刻みの間隔が広くなりすぎて逆に不安定に感じると思います。
拍子の違いは作曲家からの大切なメッセージであり、作品の土台となる音楽の流れや表情の捉え方を演奏者に伝えてくれています。音楽づくりにおいて、とても大切な要素となりますのでしっかりと意識をもって演奏してみてください。
