作曲:伊藤康英(2026年度全日本吹奏楽連盟委嘱作品)

新曲ならではの新鮮さに加えて「どこかで聞いたことがあったかな」と思うような音楽の存在感を感じる作品です。作曲家がなぜこの場面でこの楽器を必要としたのか、それはどのような音色でどのような演奏効果をもたらしたかったのか、イメージを膨らませることが大切です。
楽譜通り4 人で演奏するには使用する楽器の数が多いため、セッティングの工夫が必要です。例えばクラッシュシンバルやサスペンデッドシンバルを奏者間で共有する場合の配置や「シロフォンとグロッケン」、「大太鼓と銅鑼」の配置など。マレットの選択は、先入観にとらわれず所有しているすべてのマレットを試して、楽器との相性を探ってみましょう。意外な組み合わせが魅力的な音色につながるかもしれません。音色は管楽器とのアンサンブルを想定することも大切です。実際に管楽器パートとアンサンブル練習をすることで音色の方向性が見えてくると思います。
強弱の記号は「音の強さ」を表す記号ですが、一緒に演奏している楽器の音色や表情を意識してアプローチの仕方を考えてみましょう。どの場面でもティンパニの存在感はとても大切です。「サウンドの要」として音楽を引き締める役割を目指しましょう。
バスドラムと一緒に演奏する場面では、一体感のあるサウンドを創り上げましょう。音楽の流れを感じながらタイミングを揃えてみてください。音楽的なキメの場面や変化が欲しいときにシンバルの存在感が効果的に聞こえると良いですね。
粒立ちがはっきりと聞こえるようなチューニングを心掛けてください。響き線の張り具合も大切なポイントです。アクセントサウンドは「強さ」よりも「音色の変化」が聞こえると効果的かもしれません。楽器の狙うポイントを変えるなど工夫をしてみてください。
クレッシェンドの表現を丁寧に。弱音のロール奏法は、発音時に感じられる「良い意味での緊張感」が大切です。楽器のどのポイントを狙うか、深い音色なのか、あえて高音の薄い響きを作るか、楽器が持つ魅力を引き出してください。
音程感が大切です。具体的に「何度」と提示は難しいのですが、まずは楽器のサイズに合わせて良い響きがする音にチューニングしてみましょう。そのうえで、自分でフレーズを歌ってみるなどしてしっくりとくる音程を探してみてください。役割としてはファゴットのような低音のニュアンスだと思います。ミュートに頼りすぎず、自然なサウンドでクリアに聞こえると良いですね。
マレットはティンパニのハードマレットや鍵盤系、ゴム素材等楽器との相性を試してみましょう。スティックでは得られない音色感になることが大切です。
バンドサウンドの支えとなる大切な役割です。ティンパニと一緒の場面ではサウンドバランスに注意してください。シンバルとの一体感も意識したいですね。打面と裏面の張り具合のバランスを調整する「チューニング」が音づくりの第1歩です。楽器のサイズにもよりますが、チューニングが低くなりすぎないように注意しましょう。ミュートに頼りすぎないことが大切です。
大太鼓と同時に演奏する演奏技術を身につけなくてはいけません。セッティングの工夫も大切です。楽器の特徴を知るためにも、まずは楽器のどの部分を狙うとどんな音色がするのか試してみましょう。深い響きが得られるポイントを見つけてください。倍音が多い場合はミュートの工夫も必要になります。
弱奏の表現が求められます。楽器の構え方、予備動作のタイミングやニュアンス、楽器の合わせ方など様々な要素によって音色が変化していきます。楽器の状態や個性があるので一概には言えませんが、「エッジ」をどのように使うかということがポイントになってくると思います。アタックの後すぐに離してしまうと響きが薄く感じられるので、すこしこすり合わせるような感覚でのアプローチも試してみてください。
静かさの表現が必要です。発音を丁寧に表現するために、軽く息を吹きかけるようにアプローチしてみてください。楽器の太さやサイズにもよりますが、ビーターは細すぎないものの方が良いと思います。候補が多数ある場合は太いものから順に試して、芯のある響きが得られるものを探しましょう。ロールの場面では「華やかな音色」で表現しましょう。
冒頭のような高音域では軽やかさや華やかさを、そして低音域(ソフトマレットの指示)では対照的な表現が求められるように感じました。ミディアムハードマレットの場面でも、はっきりとした音色が求められるようです。マレットのヘッドの素材(ゴム、木、プラスチック、綿、毛糸など)を様々試してみてください。
ソフトマレットの場面では木管楽器のサウンドにうっすらと音色が重なるような雰囲気で。【H】の場面は明るく華やかなサウンドを試してみてください。[113] 以降、シロフォンやサスペンデッドシンバルと同じマレットになります。それぞれの楽器の魅力が活かせるマレットを探しましょう。
トムとのサウンドバランスを意識しましょう。リズムフレーズのグルーピングは木管楽器のスラーを参考にすると音楽の流れやリズムの感じ方が揃うと思います。マレットの指定はありませんので、楽器との相性を優先して細やかなリズムがクリアに感じられるものを選びましょう。