
日々の練習に少しの視点を加えるだけで、音楽の表現は大きく変わります。
このコーナーでは、スコアの読み方やアンサンブルの捉え方、音色づくりのヒントなど、
演奏の質を一段引き上げるためのポイントを分かりやすく紹介します。


執筆:本間雄也
POINT01
「ひとつの楽器」としてセクションを捉える課題曲の行進曲では、BD・Cym・SDがそれぞれ独立したパート譜として印刷されていることも多く、自分の楽器の演奏に集中しやすいというメリットもありますが、他の打楽器がどのような動きをしているか見えづらいというデメリットもあります。
そのため、パート譜だけを見て演奏していると、打楽器セクション全体のサウンドを把握しきれず、結果としてタイミングやバランス、音色感が分離して聞こえてしまうことがあります。
行進曲において、BD・Cym・SDは個別の楽器ではなく、低音から高音までを担う「ひとつの楽器」として機能しているという視点を持つことで、音の方向性や役割が明確になり、セクション全体として一体感のある美しいアンサンブルが生まれます。
まずは「自分のパート」だけではなく、「打楽器全体で何をしているか」という視点に立つことが重要です。
POINT02
音色の組み合わせと役割を考える打楽器セクションの魅力は、それぞれの楽器が組み合わさることで、多彩な音色を生み出せる点にあります。
例えば、BD・SD・Cym(+Triなど)が同時に鳴る場面では、それぞれの音がどのように混ざり、どのようなキャラクターのサウンドになるのかを意識する必要があります。低音を支えるのか、アタックを強調するのか、それとも全体を華やかに彩るのかによって、求められる音色は変わってきます。
また、BDを使わずにCymやSDのみで高音寄りの響きを作る場面や、単独でソロ的な役割を担う場面など、状況によって役割は大きく変化します。
こうした「音色のレイヤー」と「役割の変化」を理解することで、単なるリズム楽器としてではなく、音楽の表情を作る存在として機能させることができます。
POINT03
スコアからアンサンブルを読み取るこのような判断を行うためには、スコアを読み込むことが不可欠です。どの楽器と同時に鳴っているのか、どの音域を補っているのか、フレーズの中でどの位置にいるのかを把握することで、自分の音の方向性がより明確になります。
たとえ同じダイナミクスやリズムで書かれていても、周囲のサウンドによって求められる音色やアプローチは変化します。だからこそ、「どう叩くか」だけでなく、「どのようなサウンドの一部として存在するのか」という視点を持つことが重要です。
その意識が、アンサンブルの質を高めるだけでなく、仲間と音楽を作る楽しさにもつながるはずです!
