課題曲Ⅱ 風がきらめくとき - コマキ通商ウェブ

ADVICE ON ONE POINT

ンポイントレッ

課題曲Ⅱ
風がきらめくとき
作曲:近藤礼隆

SECTION 01

楽曲について

ABOUT THE SONG

音楽的な変化(拍子の変化や転調、反復進行など)が多い作品です。作曲者の「風景や感情に何かがきらりと光る瞬間」という言葉に関連しているのか、高音域の金属系打楽器が多く使われているのも特徴です。
金属系の打楽器は「音楽の色彩感」とよく言われるように、一つ一つの音色にイメージをもって演奏することで色彩豊かで魅力的な音楽表現につながると思います。

ティンパニやバスドラムにおいては、アタックの鋭さというよりも「低音の響きの存在感」が必要になりそうです。もちろん、音楽的に決める場面ではサウンドの要として、クリアなサウンドで表現してみてください。

「拍」をタイミングとしての時間経過で感じるのではなく、「拍子」をしっかりと意識して「音楽の流れ」や「音楽の方向性」を感じながら演奏することが求められると思います。

管楽器の仲間と一緒に練習すると「息遣い」を感じることができます。
例えばブレスのスピードやタイミングをマレットの動きとどのようにリンクさせるかイメージできると「発音のニュアンス」やタイミングを揃えやすくなると思います。

”instrument-image”
レッスン執筆:小川裕雅

エリザベト音楽大学准教授、広島ウインドオーケストラ首席打楽器奏者、広島大学客員准教授

楽曲について課題曲Ⅱ 風がきらめくとき

SECTION 02

演奏へのアドバイス

ADVICE FOR EACH PART

※本文中の【 】内の記号は楽譜の練習番号、[ ]内の数字は小節番号を示しています。
Timpaniティンパニ

冒頭 大きい方から3台。マレットはミディアムソフト~ミディアム。コントラバスがいる場合、 pizz (ピッチカート)のニュアンスをよく聞いてそろえる

【B】~ 四分音符の表現を管楽器やコントラバスとそろえるように
24小節目 F→G

[34-35] 半音進行で響きが濁ってしまうので、C音のロールは程よいタイミングで切り上げ、Des音を演奏すると同時にC音をミュート

【G】~ アクセントのサウンド感。バンドの状況により粒を出した方が良いか粒を出さない方が効果的か、検証が必要

[71]~ アクセントサウンド、クリアな音色で一音一音の存在感が感じられるように

【音の割り振り例】




”instrument-image”

Percussion1サスペンドシンバル

使用している楽器について、どのポイントを狙うとイメージした音色で演奏できるか探してみる

・ロールの表現について
ロールの始まりの音色
=音楽の流れに乗って、良い意味で“緊張感” を持ってアプローチしましょう
ロールの終わりのニュアンス
=新しい何かが始まる!新しい音楽への「場面転換」として印象的な表現を

[71] sec. (セッコ) 音を止めるのも一つの表現
=止めるタイミングや止め方
楽器のどのポイントを狙うと効果的な音色が得られるか検証

ウィンドチャイム

・グリッサンドの音色感
 紐の部分を狙うかバーに直接触れながら演奏するか=音色の違いを聞いて判断

・デクレッシェンドの表現
 例)バーを直接触れる→紐へ など狙う場所を変化させることで音響効果を高める

トライアングル

・タイミング
 音楽の流れに乗って演奏するために、フレーズを歌いながら練習
 息を吹きかけるようなコントロール

・音色
 倍音のコントロール=ビーターの太さやかまえる角度によって変化

”instrument-image”

Percussion2バスドラム

前半 低音楽器のサポート アタックのニュアンスを管楽器やコントラバスにそろえる感覚

ティンパニと同じリズムを演奏している場面では、ティンパニの音程感を支えるようなニュアンスで

クラベス

ピッコロのフレーズの流れにのって、木の素材感が伝わるような温かい音色で。金属とは全く違うサウンドの表現

”instrument-image”

Percussion3グロッケン

・オクターブのサウンドバランス
 「均等」「低音を強調」「高音を強調」→それぞれの特徴をよく聞いて効果的なサウンドバランスを探す

・マレット
 高音木管楽器との音色的なバランスを意識する
 和音を演奏する場面では、左右の音色バランスに注意
 場面によっては金属(アルミ・ブラス)のものを選ぶのも効果的か
 オクターブの場面では左右の種類を変えるのも効果的か

スレイベル

・デクレッシェンドの表現
 「音量を小さく」というイメージだけにならず、例えば「響きが遠ざかっていく」などのイメージを加えて表現

・楽器を「持つとき」と「置くとき」に音が鳴らないよう注意

”instrument-image”

演奏へのアドバイス課題曲Ⅱ 風がきらめくとき

SECTION 03

楽器へのアドバイス

LIST OF INSTRUMENT

※品番に*印のついた商品は、今後発売予定の新商品です。
Timpani
楽器名 アドバイス/楽器 弊社該当商品 アドバイス/マレット類 弊社該当商品
ティンパニ 大きい方から3台 マジェスティック/シンフォニック・シリーズ 前半:アタックがぼやけない程度のミディアムソフト~ミディアム
後半:自重が軽めのミディアム~ミディアムハード
○前半
クリード/CR-Timp13
クリード/CR-Timp14
○後半
K.M.K/KK-TMK03
K.M.K/KK-TMK04
Percussion1
楽器名 アドバイス/楽器 弊社該当商品 アドバイス/マレット類 弊社該当商品
サスペンドシンバル 比較的明るいサウンドのもの
17~18インチくらい
小出/10J-in17CSM
小出/10J-in18CSM
ヘッドが小さく、ミディアムハード~ハードのマレット 適度に音の粒が聞こえるもの ロン・ヴォーン/RVN-CymM4R
ロン・ヴォーン/RVN-CymM5R
ウィンドチャイム 音程の差が聞こえるもの バーの数が少ないよりは多い方が良いか ツリー・ワークス/TW-TRE630

ツリー・ワークス/TW-TRE35

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トライアングル 高音すぎるよりも、程よく落ち着きのあるサウンドのもの K.M.K/KK-TCS812N

K.M.K/KK-TCS812C

STUDIO49/SD-Ti3

弱音でも音色感が乏しくならないよう、重さのある太めのビーターでのアプローチ K.M.K/KK-TB5

K.M.K/KK-TB720S

(※トライアングルはKK-TCS813Nを使用しています)
Percussion2
楽器名 アドバイス/楽器 弊社該当商品 アドバイス/マレット類 弊社該当商品
バスドラム チューニングをこだわってみましょう。表面と裏面のヘッドバランス、様々試して納得のいく音色を作りましょう。楽器のサイズはバンドの編成によるかもしれません レフィーマ/LF-BD36
レフィーマ/LF-BD32
軽いものよりは少し重量感のあるもの。ヘッドは大きめ、アタックが出すぎないもの K.M.K/KK-BMDY04
K.M.K/KK-BMDY05
レフィーマ/LF-301L
アンコール・マレット/EM-B1
クラベス 木の素材感がしっかり伝わるもの。余韻が感じられるもの K.M.K/KK-SCLR27K
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Percussion3
楽器名 アドバイス/楽器 弊社該当商品 アドバイス/マレット類 弊社該当商品
グロッケン ハーモニーのバランスが大切です。余韻がきれいに響くもの マジェスティック/MJ-B3125S 少し重ためのヘッドの大きなもの、加えて金属系も◎
楽器との相性があるので、いろいろ試してみてください。
K.M.K/KK-ML28*
K.M.K/KK-MGL25*
K.M.K/KK-MGL28*
サトー・マレット/ST-BRM
スレイベル 余韻が長いもの 音程は高め グローバー/GV-SBCB

サウンドキング/KU-SBL
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楽器へのアドバイス課題曲Ⅱ 風がきらめくとき