課題曲 Ⅲ

01
レッスン執筆者
おがわひろのり
小川裕雅
東京藝術大学卒業。打楽器全般を有賀誠門、岡田知之、菅原淳、安本由美子の各氏に師事。またドラムとラテンパーカッションを金子安延、折田吉弘、石川武の各氏に師事。エリザベト音楽大学准教授、広島大学教育学部客員准教授、広島ウインドオーケストラ打楽器奏者、西日本打楽器協会副理事長、ソナーSQ2クラシカル・アーティスト。
ABOUT THE SONG
音楽の変化が激しい作品です。その中でリズムパターンも様々なものが登場し、一つの場面で複数のリズムが混在していることが多くみられるようです(例えばシンコペーションのリズムフレーズに次のフレーズのアウフタクトフレーズがかみ合わさるなど)。
拍に合わせてリズムを弾くのではなく、音楽の流れの中でリズムフレーズを演奏する感覚が大切です。「リズムの音価を統一すること」は単に音の長さを揃えるということではなく、リズムフレーズが持つイントネーションを揃えるように意識してみてください。

02
TIMPANI
【J】~ F・B♭・E♭ 下から3台の楽器で演奏可能です。
アクセントなどの表情や強弱のニュアンスは、低音セクションの管楽器とニュアンスを揃えましょう。一緒に練習できるとより分かりやすいと思います。
【Ⅿ】1小節前の ffp はとても大切な音です。アタックでは音程感を損なわないように、クレッシェンドは【Ⅿ】に向かって効果的に表現しましょう。
TRIANGLE
シンコペーションのリズム表現、休符の感じ方や長い音符の表現を管楽器と揃えましょう。
ビーターの当て方(角度・場所)による倍音の違いをよく聞いて、良い場所を見つけましょう。そっと息を吹きかけるように演奏してみてください。
SNARE DRUM
記譜の「タイ」は管楽器の「タイ」と同じように意識しましょう。タイがない場面では、一音一音、音の立ち上がりを明確に。メロディーラインがアウフタクトで掛け合うことが多いので、音楽の流れをしっかり感じながらリズムを刻みましょう。
【C】からは、リズムが重たくならないように「裏拍」をしっかり感じて演奏しましょう。
【D】のRimは叩く場所とスティックの使い方で音色感が変わるので、イメージに近い音色を探してみてください。
fp (フォルテピアノ) が何か所か出てきます。フォルテからピアノにしっかりと変化をつけ、そのあとのクレッシェンドは低音楽器と同じニュアンスで表現しましょう。
【M】1小節前の ffp は、ティンパニと一緒に音楽的な「キメ」となるような表現が必要です。【M】に向かうクレッシェンド、 p から ff までの音量の変化を2拍の間に表現しないといけないので、音量の変化だけでなく「音色の変化」を意識して、例えばヘッドの端から真ん中に向かうなどの工夫を考えてみましょう。
CRASH CYMBAL
リズムを一つ一つ読むのではなく、1つの「リズムフレーズ」として音のつながりを考えることが大切です。シンコペーションのニュアンスはアタックの強さではなく「スピード感をコントロール」することで表現できると思います。また、アクセントサウンドは「硬さ」ではなく「華やかさ」を意識して演奏してみてください。
【I】のサスペンドシンバルのロールを受けて演奏する場面では、メロディーラインのアウフタクトフレーズを意識して歌うような感覚で表現してみてください。
BASS DRUM
音楽的にとても大切な1拍目を表現するために「アウフタクトフレーズ」をしっかり意識して演奏しましょう。[3],[5]に向かうアウフタクトフレーズなどは、タイミングを狙うよりも音楽の流れを作るような感覚で。
マーチの刻みの場面では「テンポキープ」も大切ですが、この曲の場合メロディーを歌いながら演奏することで、音楽の流れがより安定して表現できると思います。
シンバルと一緒に演奏する場面では常にシンバルとのアンサンブルを意識しましょう。アタックの「タイミング」を合わせるよりも、「感じている音楽の流れの感覚を合わせる」ことが大切です。音楽的なキメの場面(例えば【M】の1小節前など)では流れないように。
WIND CHIME
さりげなくどこかから聞こえてくるようなニュアンスで演奏できると良いですね。音楽の流れに乗って。
4拍目を狙いすぎず、メロディーラインを歌う息の流れを意識して演奏してみてください。
SUSPENDED CYMBAL
サスペンドシンバルのロール始まり(特に弱音の場合)は良い意味での「緊張感」が必要です。発音の瞬間、音の立ち上がりをしっかりコントロールしましょう。楽器のどこを狙えばイメージした音が得られるか、マレットの選び方も大切です。【I】はクラッシュシンバルの音色に溶け込むように。
GLOCKENSPIEL
手順についての目安として、上行する音型は「左手」から、下行する音型は「右手」から弾き始める練習をしてみてください。ただし【F】のアウフタクトは右手から。トリルは木管楽器とニュアンスを揃えましょう。
XYLOPHONE
アクセントのニュアンスは管楽器と揃えましょう。トレモロは次の音につなげようとしない方が良いと思います。手順はグロッケンと同様。【K】からのフレーズの中にある「16分音符」のニュアンスが硬くならないように。アウフタクトフレーズなので1拍目に向かう音楽的な流れを感じながら。手順は右手からが良いと思います。

03
ティンパニ |
アドバイス/楽器 | - |
| おすすめ商品 | Majestic/Symphonic Series | |
| アドバイス/マレット類 | 柄-軽め トレモロしやすいもの 響きの要素も必要なので硬すぎないもの |
|
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-TMK02K.M.K/KK-TMK03K.M.K/KK-TMK04CREED/CR-Timp12CREED/CR-Timp13CREED/CR-Timp14 |
トライアングル |
アドバイス/楽器 | 明るくやわらかなサウンドのもの |
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-TCS813CK.M.K/KK-TCS812CSTUDIO49/SD-Ti2STUDIO49/SD-Ti3 | |
| アドバイス/マレット類 | 太めで倍音が出やすいもの | |
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-TB5K.M.K/KK-TB720SGROVER/GV-TBB2GROVER/GV-TBB3 |
スネアドラム |
アドバイス/楽器 | 6インチ程度 ピッチが高くなりすぎないように |
| おすすめ商品 | SONOR/SQ-1406SD-EHISONOR/KS-1406SDW NABMajestic/MJ-MPS1465WAMajestic/MJ-MOS1465BR | |
| アドバイス/マレット類 | リムのサウンド感を重視 ヒッコリー、ローズウッド、ジャトバなど | |
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-CSJK.M.K/KK-CSJ2VATER/Los Angeles 5AVATER/5BVATER/FUSION |
合わせシンバル |
アドバイス/楽器 | 18インチ ミディアム |
| おすすめ商品 | 小出シンバル/KD-808S18CCM小出シンバル/KD-808in18CCM小出シンバル/KD-CAD18CCM |
バスドラム |
アドバイス/楽器 | 32インチ(または36)アタックがクリアに出るようなチューニング |
| おすすめ商品 | LEFIMA/LF-BD36LEFIMA/LF-BD32 | |
| アドバイス/マレット類 | アタックが明確に出るもの 響きの要素も必要なので硬さよりもスピードがコントロールしやすいもの | |
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-BMDY03K.M.K/KK-BMDY-RWMEncore Mallet/EM-B1LEFIMA/LF-301 |
ウィンドチャイム |
アドバイス/楽器 | 音程の変化が聞こえやすいもの 高め |
| おすすめ商品 | Treeworks/TW-TRE630Treeworks/TW-TRE35 |
サスペンドシンバル |
アドバイス/楽器 | 18インチ(または17インチ)高音域がきれいに鳴るもの |
| おすすめ商品 | 小出シンバル/10J-in18CSM小出シンバル/10J-in17CSM | |
| アドバイス/マレット類 | マレット自体が軽く、ヘッドは小ぶりでミディアムハードのもの | |
| おすすめ商品 | Ron Vaughn/RVN-CymM4RRon Vaughn/RVN-CymM5R |
グロッケン |
アドバイス/楽器 | - |
| おすすめ商品 | Majestic/MJ-B3125S | |
| アドバイス/マレット類 | 響きよりもアタックがクリアに出るもの アルミ、または真鍮入りのハード | |
| おすすめ商品 | K.M.K/KK-MGP25K.M.K/KK-MP25Acoustic Percussion/AN-AB1Acoustic Percussion/AN-AB2 |
シロフォン |
アドバイス/楽器 | - |
| おすすめ商品 | Majestic/MJ-X6535H | |
| アドバイス/マレット類 | 木製のもの 明るさと軽快さ | |
| おすすめ商品 | Acoustic Percussion/AN-HB-X1Acoustic Percussion/AN-HB-X2Acoustic Percussion/AN-HB-X3Acoustic Percussion/AN-HB-X4 |
ワンポイントアドバイス
“いい音”はスティックから始まる ― スネアドラム用スティックの選び方
スネアドラムは、打楽器の中でも特に表現力が豊かで、楽曲の雰囲気や構成を左右する重要なパートです。特にコンサートスネアドラム(吹奏楽やクラシックなど)は、ドラムセットでのスネアと違い、「音楽性」や「音色のコントロール」が求められる場面が多くなります。
そのため、スネアドラム自体のセッティングや演奏技術も重要ですが、どのようなスティックを使うかは音色のキャラクターを大きく左右する重要な要素です。特に材質によっての差は大きく、音の印象や操作性、耐久性など、同じ形のスティックであっても材質が違えば全く異なる演奏体験となります。
◆ スティックに使われる代表的な材質とその特徴
また今回の課題曲Ⅲでは、リムショットが登場します。リムショットの音色もまた材質によって大きく変化します。どのような音色がバンド全体のサウンドに合うかを考えながら選びましょう。
◆ 材質ごとのリムショットのニュアンス
「材質」はスティックの“個性”そのもの。音の立ち上がり、響き、操作感、耐久性など、演奏者の要求に応じて最適な材は異なります。数本を使い比べてみると、音楽的な感性がより研ぎ澄まされ、自分の表現にぴったりのスティックに出会えるはずです。
日々の練習や本番、ソロやアンサンブルなど、場面に応じた「材質の選び分け」も、上級者への一歩となります。ぜひ、スティック選びから「音楽の質」を高めてみてください。